映画

頑張れ共和党:『スーパーチューズデー』

評価:☆☆☆★★ 映画の出来としては、特に見るべきもののない凡作です。もの凄くひどいわけでもないのですが、わざわざ映画館に見に行くほどのものではありません。金曜ロードショーでやっていたら見てもいい、というレベル。というわけで評価は★二つ。(ちなみ…

その数学が勝負を決める:『マネーボール』

評価:★★★★☆ セイバーメトリクスという野球の戦術をご存知でしょうか。いや、戦術と呼ぶのは誤解を招くかもしれません。セイバーメトリクスは、送りバントやヒットエンドランのような、野球の試合中に仕掛ける個々の行為ではないからです。むしろそれは、チ…

実在するとは別の仕方で:『ザ・ライト』

エクソシスト(悪魔祓い師)という職業は、その名前からタイトルを取ったホラー映画『エクソシスト』(1973)の存在もあって、悪魔に体を乗っ取られた人々の体から、宗教的儀式によって悪魔を追い出す「祈祷師」としてのイメージはよく知られています。このよ…

早くリア充になりたい:『ソーシャルネットワーク』

Facebook の創業者ザッカーバーグを描いた映画『ソーシャルネットワーク』を観てきました。脚本家は、私の中で世界最高に認定されているアーロン・ソーキン。『ザ・ホワイトハウス』ほどの深みある人間ドラマではなかったけど(何しろ主人公が好感度ゼロなの…

怒りと響き:『悪人』

映画『悪人』を観てきました。世評に違わずウェルメイドな作品でした。複数視点からの描き分けも洗練されていたし、深津絵里の地味さには驚いた。ここまでオーラを消せる主演女優というのも凄い。受賞も納得です。 この映画の宣伝のキャッチコピーは「誰が本…

共働き夫婦の生きる道:『ちょんまげぷりん』

本日は朝から有楽町のイトシアで映画『ちょんまげぷりん』を観てきました。ともさかりえのシングルマザーSEの好演が光る、よくまとまったコメディーでした。錦戸君は以前見たときはゾクゾクする DV 野郎の役が素晴らしかったけど、清廉な武士も似合っていた…

クズである権利

イルカ漁を批判するドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」を上映する予定だったいくつかの映画館が、上映反対の抗議を受けて上映中止を決めました。これは非常に残念なニュースで、配給会社や映画館は、問題作を上映しようとすればこの程度の抗議を受けるぐら…

私はシャア・アズナブル、見ての通り軍人だ

有楽町のイトシアで『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を見てきました。IT 業界の底辺の閉塞感と絶望感をよく捉えていて、しかもそれを軽妙に描くことに成功しているウェルメイドな作品でした。 ただ、IT 業界の人間にとっては、あ…

正解はE:『スラムドッグ$ミリオネア』

いかん、今日はほんとにしんどかった。もともと肩こり体質ですが、もう肩バリバリで首も腰も固まってしまった。でも全然原稿がスケジュールどおりに終わらない。編集者の方々には申し訳ありませんが、また来週頑張ります・・・頑張れるだろうか。 先週 DVD …

ブラック会社をぶっ飛ばせ

世評の高い『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』は、やはり IT 業界の片隅に生きる人間として、私も観ないわけにはいきません。いま仕事がたてこんでいて休日も時間がないのですが、何とか時間をやりくりして映画館へ行きたいもので…

やっぱりジンアイは若くてピチピチなのに限る:『象の背中』

日曜ゴールデン劇場で『象の背中』という映画をやっていたので途中から見ました。人品卑しからぬ大会社の部長さん(役所広司)が肺癌にかかって余命半年と宣告されるお話。黒澤明の『生きる』みたいなストーリーかな、と思って見ていると・・・・・・あれ、部長さ…

2800年前の均衡点

今度『レッド・クリフ Part 2』を見にいくにあたり、復習もかねて Part 1 を DVD でみました。劇場で見たときも「こりゃ傑作じゃあ」と思いましたが、DVD で気になるシーンをじっくりみても面白い。Part 2 が楽しみです。もうみた人、感想はいかがでしょう?…

草鞋おじさんの魅力:ジョン・ウー『レッド・クリフ』

ジョン・ウー『レッド・クリフ』を見てきました。映画は文句なしに面白かった。ちゃんと白い鳩も飛んでいた。普通、関羽と張飛のかげに隠れて印象の薄い趙雲がクローズアップされて格好よく描かれていたのはなぜだろう? まあ私も彼のような渋キャラは好きで…