科学

科学の立証責任:あなたは天空のティーポットを信じますか?

3月11の福島第一原発の事故以来、放射能が健康に与える被害というのは、日本人(特に東日本に住んでいる人)にとって避けられない関心事となりました。私も知り合いに聞いた話では、柏市や松戸市といったホットスポット地域に住んでいる人たちの中には、本当…

また勝ってしまったか:『Economist』「エイズの終焉?」

今週の『Economist』誌の巻頭記事は、エイズについて。この史上最大の敵に対して、人類は遠からず勝利を収めるであろうという、明るい見通しを伝えています。 1981 年 6 月 5 日、米ロサンゼルスの医師たちは、ごく稀にしか見られないタイプの肺炎が大流行し…

『Wall Street Journal』「セックスは体にいい」

セックス(およびその代償行為)が体にいいのか悪いのか、という議論には長い歴史があります。人類発祥とともにある営みだから、もしかすると同じぐらい古い歴史があるのかもしれない。でも、本来が秘めやかに行われる行為なので、あまり大々的に調査の対象…

『Naturenews』「低放射線被曝のリスクはよく分からない」

福島第一原発では、今も高放射線被曝のリスクを冒して多くの人々が原子炉の冷却に尽力しています。4月27日には、厚労省が通常時の線量上限である年50ミリシーベルトを撤廃する特例措置を決めるなど、作業員の健康リスクは高まる一方です。 そうした重大な危…

『Economist』:多いことは良いことだ(基本的には)

2000年に日米共同の銀河地図作成プロジェクトがスタートしたとき、ニューメキシコ市に作られた天体望遠鏡は、最初の数週間で、それまでの天文学の歴史上集められたよりも多くのデータを集めました。それから10年、今やプロジェクトのアーカイブに積み上げら…

未完の革命:ダーウィンの危険な思想

今年はダーウィン生誕200年、『種の起源』刊行150周年というダブル・ダーウィン年のため、あちこちでダーウィン/進化論の特集が組まれています。 進化論は、相対性理論と並ぶ科学上の革命との評価も高く、どちらも人間の認識を根底から覆えしたました。社会…

神の手によらずして

『Economist』に面白い世論調査が出ています。2006年に欧米諸国を対象に行った進化論の支持率です。全般に50%を超える高率のなか、アメリカは相変わらず先進国の中ではずば抜けた低さを示しているのが印象的です。それでも、ギャラップの調査では徐々に支持…