雑記

アフリカンパワーは存在するのか

先週閉幕した夏の甲子園で活躍した関東第一のオコエ瑠偉について、フジテレビなどがそのアフリカ系の出自をクローズアップしたことが、人種差別的だとして一部から批判を浴びました。オコエ瑠偉をフジテレビが「アフリカン・パワー」と紹介 非難の声も - ラ…

豹変しない日本人

先週、大阪市の橋下市長が、関西電力の大飯原発の再稼動を容認する声明を出しました。これまで積極的に脱原発の方針を推し進め、原発の再稼動にも反対してきた橋下氏としては、ほぼ180度の方針転換といってよい内容です。 長期的な方向性としては脱原発にも…

選択可能性と差別

最近、企業の新卒採用活動に色々とユニークな動きが出てきています。ユニクロが大学生の学年に関係なく通年で採用活動を行うことを表明したと思ったら、今度は 100 年近く続く出版社の老舗岩波書店が、応募要件として社員や著者の紹介状が必要なことを宣言し…

世界の DQN ネーム事情

The Economist の記事より。("Baby names") DQNネーム、あるいはキラキラネームと呼ばれている名前があります。子供に付けられる、奇抜で読みにくいことを特徴とする名前のことで、大熊猫(ぱんだ)君とか今鹿(なうしか)ちゃんとか、結構な破壊力を持つ名…

人に本当のことを言わせる方法

昨年の大晦日、オウム真理教の特別手配犯になっていた平田信容疑者が警察に出頭するという事件がありました。このときの経緯は、平田容疑者は警察に出頭するも、イタズラだと思われてなかなか本人だと信じてもらえず、たらいまわしにされるという喜劇的なも…

フリーライダー化する女性たち

職場に女性が進出するようになって以来、出産・育児休暇を取得する女性の職場での処遇というのは、常に論争の的です。特に、企業は規制によって出産を理由に解雇することができないため、女性には制度を悪用してフリーライダーになるインセンティブがあるの…

掛け算論争について

大手小町風に言うと(駄)なエントリです。年末で暇をもてあましている人向け。 ここ数日、Twitter のタイムラインに流れてきている掛け算論争。断片的なツイートを追いかけただけでも、瑣末な問題、という印象をぬぐえないのですが、小学校時代に算数で味わ…

新聞休刊日の謎、あるいは非情緒的な村上春樹の疑問

Twitter で「新聞休刊日が全紙同日休刊なのは妙だ。談合でないか」という趣旨のツイートをしたところ、かなり多くの方からコメントをいただきました。そんなに世間で関心の高い話題だとは思わなかったので、意外に思いましたが、よく考えれば身近な割に、そ…

暴力団の資金源を絶つ方法

腎不全を患っていた東京の医師が、暴力団から腎臓を買ったとして逮捕されたニュースが報じられました。 闇での臓器売買に暴力団が関与している(いわゆる「しのぎ」にしている)ことは、周知の事実なので、今回の事件にはその点に関する新味はありません。し…

誰にだって忘れたい過去の一つや二つはあるものだ

4/1 付けの New York Times に掲載された面白い記事。 インターネットには色んな機能がありますが、その中でも特筆すべき一つが、巨大な分散データベースとしての機能です。インターネットはほとんど無尽蔵の貯蔵庫で、しかも一度記録されたら半永久的に残り…

『アエラ』「放射能がくる」の内容は表紙ほど酷くない

防毒マスクに赤い大文字で「放射能がくる」という扇情的な表紙で帝都の話題をさらった今週号の『アエラ』は、炎上マーケティングの甲斐あってかなり売れているようです。コンビニなどでも売り切れでほとんど見かけない(トータルでこの手法が成功するかは、1…

節電の切り札 〜この夏を乗り切るために〜

電力不足による節電のため、にわかに東京では倹約生活が広がっていますが、実は節電が一番大変になるのは、冷房の電力需要量が増える夏場です。東京電力も「夏には東京都の千代田、中央、港の3区を除く20区でも本格的に計画停電を実施せざるを得なくなるだ…

買い占めを止めさせる方法

今回の震災の特徴の一つは、直接被災した人たち以外にも、広範囲にわたって多くの人の生活に影響を及ぼしたことでした。多くの人が不安を感じている放射性物質の拡散や、本番は今夏だとも言われる計画停電は、東京以西の人々の生活にも大きな打撃を与えてい…

物事には優先順位がある。人間にもそれはある。

危機への対応というのはいつでも誰にとっても難しいものです。それが難しい理由は、滅多に起こらないから誰も正しい対処法を知らないとか、そもそも技術的に対応困難な状況に追い込まれるとか、挙げていけばキリがないのですが、中でも大きいのが、リソース…

東日本巨大地震におけるインターネット活用方法まとめ

Twitter で流しているだけだと後で探すのが大変なので、東北地震関係でインターネットの使用に関して役に立ちそうな情報をまとめました。追加情報、間違いの指摘などありましたら Twitter かコメントで教えていただけると助かります。 災害ポータル 警報・注…

カテゴリー・ミステイクの悲劇

大相撲の八百長問題が世間を騒がせています。私は最初、これが違法行為であるため、それが非難を浴びているのだろうと考えていました。スポーツにおける八百長はその基本精神にもとるし、サッカーの TOTO ように賭博の対象になっている場合は明らかな詐欺行…

恋人たちのクリスマス

本日はクリスマスでした。私みたいなおっさんともなれば、全く無関係な温泉に出かけるという自由な技も繰り出せるのですが、カップル化の社会的圧力をもろに被る若い諸君にあっては、イブからの 2日間をどのように過ごすかは、結構な悩みごとだったことでし…

人生は大学まで待ってからでも遅くはないと思う

学校におけるいじめというのが、いつから存在しているのか知りませんが、たぶん学校制度の成立時からあったのでしょう。いじめが全国的に大きな問題として受け止められるようになったきっかけは、中野富士中学や愛知県西尾市中学で起きたいじめによる自殺事…

すべてを白日のもとに曝そう

知ってる人は知っているかもしれませんが、私の仕事はシステム・エンジニアです。その中でも特にデータウェアハウス(DWH)という分野が、一応の専門ということになってます。これは、沢山のデータをドカンとデータベースにつっこんで、それを色々ひねり回し…

不公正な初期財産

氏か育ちか(nature and nurture)という問題は、洋の東西を問わず、常に論争の的になってきたテーマです。私たちの能力や性格といった資質はどうやって決まるのだろう。そしてそれらが絡み合って形作られる人生というのは、究極的なところ何によって決定さ…

『Economist』:仕事、楽しんでますか?

最近では、多くの企業が楽しさの強迫観念にとり憑かれている。シリコンバレーのソフトウェア企業は入り口にロッククライミング用の壁を設置し、オフィスには動物型のゴム風船を置いている。ウォルマートは、レジ係に誰彼なく笑いかけるよう命じている。この…

エルスバーグの呪い

おととい見た映画『悪人』の感想を、もう少し。 実を言うと私は、この映画を見ている間ずっと、苛立ちを感じていました。祐一も光代も、そんなに田舎暮らしが息苦しいなら、さっさと違う土地に出てしまえばいいのに、と思ったからです。二人はまだ20代。十分…

踏み込みの甘い男たち

昨日で 9.11 から9年目を迎えました。今年は同時テロ現場付近にモスク建設計画が持ち上がったり、それに対してコーランを燃やすパフォーマンスを行う牧師が場所変更の取引をおこなったり(最初からそれが目的だったとしたら大した策士だ)、例年以上にアメリ…

言語は次元を超えることができるか:小山宙哉『宇宙兄弟』

昨日、漫画の『宇宙兄弟』を読んでいたら面白いことが描いてありました。この物語は、宇宙飛行士を目指す兄弟の成長を描くビルドゥングスロマンなのですが、私が面白いと思ったのは、主人公の六太が JAXA の飛行士試験を受けるときのワンシーンです。TV で塩…

1分で分かるリバタリアンとコミュニタリアン

昨日の続き。こんな小話を思いついた。 殺人犯の子供が小学校に通っていたとして、「お前の親父は人殺しー」と言って石を投げるのがコミュニタリアン。「やめないか、子供に罪はない(キリッ」と言って間に割ってはいるのがリバタリアン。

白熱教室 IN Japan に行ってきた。

本日は、NHK の「ハーバード白熱教室」で日本でも大ブレイクしたサンデル先生による特別講義が行われました。私も抽選で当たったので会社を休んで東大まで行ってきました。 ざっと見た感じでは、聴衆は半分以上は学生さん。東大枠が500人程度あったそうなの…

育児放棄権

最近大阪で起きた幼児虐待事件は、母親の身勝手な行動と二人の子供が死亡するという最悪の結果によって、大きな衝撃をもって受け止められました。 この問題について、「理解できない」などと言って母親の無責任ぶりを責めることは容易ですが、その態度からは…

思考停止は気持ちがいい

琴光喜の野球賭博関与から始まった賭博事件は、相撲界全体を巻き込む規模に発展し、親方の追放という前代未聞の事態へと発展しました。 しかし、私は最初にこの報道を見たときから、琴光喜のやったことのどこがいけなかったのか、よく分かりませんでした。せ…

ジャパニーズ・ビューティ

昨日から休みをとって箱根へ小旅行に出かけてきました。今回泊まった宿は、小涌谷にある翠松園という旅館。初めて利用しましたが、ゆったりした広い敷地の中、自然の静けさに満ちていて、ゆっくり疲れを癒せる宿でした。従業員の方々の接遇も文句のないレベ…

DOES「バクチ・ダンサー」は素晴らしい

DOES の新曲バクチ・ダンサーがまたまた格好いい。歌詞、ギター、ドラム、全てがクールだ。前作の『曇天』に比べると少し迫力が欠けている気もするけど、これはこれで十分に素晴らしい。『銀魂』アニメ版の最大の功績は、DOES を世に出したことかもしれない…