TVドラマ

江戸時代のオリンパス

この時期の定番ドラマのひとつに『忠臣蔵』があります。主君の名誉を守るため、政敵の家に押し入って敵討ちを果たして、最後は全員切腹するという、元禄赤穂事件を題材にした日本人なら誰でも知っている物語です。この特異な物語にひきつけられるのは日本人…

拷問が許される条件

私はあまり時代劇を見ないのですが、『JIN』は 1st シーズンから断続的に見ています。先週の回を見ていたら、久しぶりに「ザ・時代劇」な拷問シーンを見かけました。和宮毒殺未遂の疑いをかけられた仁先生が取調べで石抱きの刑にかけられるのですが、先生は…

日本最初のリバタリアン

福山まさはるの坂本龍馬はちょっと小奇麗だなあ。絶対あの龍馬、毎日風呂入って寝る前には歯磨いてるもん。 私は『JIN』で内野聖陽が演じていた小汚系の龍馬が好きでした。「人間は欲ぜよ! 欲をなくしたら死人ぜよ!」と叫んで欲望を肯定する明るさが良かっ…

命令・禁止・尋問

『24』の1stシーズンを見終わりました。確かに筋書きがよくできていて素晴らしい。脚本家がチームで仕事をすることの効用は、終盤まで一貫して高いクオリティを維持できることですね。 見ているなかで、このドラマが放映された 2003 年当時のアメリカがどれ…

連休で見たDVD

シルバーウィークはどこにも行かず家でゴロゴロしていたので、暇に飽かせて DVD もたくさん見ました。感想は以下のとおり。 『必殺スペシャル・新春 大暴れ仕事人! 横浜異人屋敷の決闘』 何と言っても滝田栄の清河八郎がかっこいい(いいじゃないか中村さん…

平等な社会を作るための地図

『ザ・ホワイトハウス』エピソード38(2nd シーズン)は、「Somebody's Going to Emergency, Somebody's Going to Jail」(邦題「父への思い」)。ホワイトハウス職員が様々な利権団体の意見に広く耳を傾ける「大きなチーズの日」が今年もやってきます。昨年…

誰が弱者の味方なのか

今週もやってまいりました。『ザ・ホワイトハウス』に学ぶ政治のお時間です。 今回取り上げるのは、エピソード 33 「The Leadership Breakfast」(邦題「朝食会の誤算」)で、広報部長のトビーが、フェリシティ・ハフマン演じる共和党の大物議員アン・スター…

演説が上手なのはそんなにいいことか

『ザ・ホワイトハウス』の 1st シーズンを見終わりました。非常にクオリティが高い政治ドラマで、続きが気になる。NBC は本当にハイレベルです。 エピソード 19「Let Bartlet Be Bartlet」(邦題「私は闘う」)の回では、感動してちょっと涙ぐんでしまった。…

奴隷制の値段

『ザ・ホワイトハウス』(1st)を見ていたら、次席補佐官のジョシュが人権派の弁護士と奴隷制度の国家賠償についてやりあっている場面がありました。日本でも従軍慰安婦などの問題で国家賠償請求の訴訟が起こされていますが、アメリカの奴隷制度は桁が違いま…

外部性と機会費用

『ER』もひととおり見終わったので、『ザ・ホワイトハウス』(原題:The West Wing)に手を出しています。『ER』に比べると地味ですが、NBC らしい格調高いヒューマン・ドラマです。タイトルで流れるテーマ曲は壮大でかっこいい。もし日本のテレビ局が『ザ・…

比較優位

今週の『ER』で学ぶ社会学の時間です。 今回取り上げるエピソードは、外科医のコーデイが、パーキンソン病の医学生ネイサンに「精神科に専攻を変えろ」と諭す場面です。 パーキンソン病は、よく知られているように体が震えたり硬直したりする進行性の病気で…

なぜ資源は有限なのだろう?

『ER』も、もうすぐ第12シーズンを見終わってしまう勢いです。本国では第15シーズンが放映中だそうですが、現在日本で見られるのはここまで。 『ER』は常に人間と社会について深く考えさせられる名作ですが、今シーズンでは外科部長ドゥベンコが脳死状態の老…

ちゃららー

仕事人(仕置人)で一番クールでかっこいいのは沖雅也の棺桶の錠。これ定説。東山君もスマートだが、昔の仕事人が持っていた悪の匂いがない。山崎努の念仏の鉄なんて、何も知らない人が最初に『仕事人』を見たらこいつが悪者だと勘違いするぐらい凶悪だった。

さよならだけが人生だ

∧_∧ ( ´Д⊂ヽ うえーん、ニーラがニートになっちゃったよう。 ⊂ ノ 人 Y し (_) ま、それはそれとして。 ついにコーデイもいなくなってしまうのね。「さよならが苦手なの」とスパッと辞職する後姿に惚れた。素敵な人だった。『ER』見ていてきづくのは、…

ヒヨヒヨ

『ER』の第10シーズンまで走破。いよいよ残すところもあと5シーズンとなりました。マーク、ベントン、ロマノと立て続けに大物が去って小粒なキャラばかりになってしまったけど、かえってそのおかげでドラマがよくまとまって well-made な出来になっている。…

音のない世界

『ER』第8シーズンを走破。グリーン先生の最後の手紙をカーターが読み上げ、彼のあとを継ぐ決心をして形見の聴診器を手に取るシーンは、見ているこちらも万感迫って、胸が詰まりました。この重厚な感動は、長い時間を付き合わないと得られない。日本のドラマ…

正しい差別

名作ドラマ『ER』に学ぶ社会学のお時間です。本日取り上げるシーンは、3rd・シーズンで黒人外科医のベントンとその下で修行中の、同じく黒人医学生ガントがロッカールームで会話を交わすシーンです(本当は、ある理由からガントがベントンに詰め寄る激しいシ…

天使でも救えない:『Touched by an Angel』

アメリカCBSのホーム・ドラマ『Touched by an Angel』を観たい。どうしても観たい。『ER』と人気を二分する長寿人気TVドラマなのに、日本版は私の知る限り発売されていません(日本版の情報お持ちの方はご一報を)。 内容は、題名からわかるとおり、神から遣…