部分和問題答え#2と#3、ラッセル

 「SQLで数学パズルを解く(組み合わせ論編)」の「部分和問題」に、答え#2と#3を追加。

 どちらも、元の集合から要素を選択するかしないかで0/1のビットフラグを立てることで、全ての組み合わせを網羅することにより一つのクエリで実現する解法です。その代わり、要素の具体的な値をコード内で指定する必要がある。カノエさんから頂いた見事なアイデアをもとにしています。ありがとうございます。


 忙しくて長らく中断していた翻訳を、久々に再開しました。やめてる間にも訳したいテキストのリストはどんどん膨らむ一方・・・頑張ってヒマな夏の間にちょっとづつ削っていこう。

 今回は、ラッセルの『哲学の諸問題』第3章「物質の本性」をアップ。明晰なときのラッセルは惚れ惚れするほど明晰です(翔んでるときのラッセルにはちょっとついていけないものを感じるけど、それはそれで面白い)。物質の本性については知りえないというカント以来の不可知論を継承しながら、多くの哲学者がはまった観念論の袋小路を迂回するにはどうすればいいのか? ともすれば観念論として自己完結する方向に向かいがちな、私たちの私秘的空間と公共的空間を接合するポイントは一体どこに求めればいいのか?

 「それには、物そのものを正面から扱うのではなく、物と物との関係という搦め手から攻めることじゃよ。物は、それ単独で成立すると思うな。他の物との関係のうちに鍵はある」と語るラッセルは、確かに言語論的転回を用意した一人でした(そしてあくまで存在論を離れなかったのが、彼らしい)。


 存在論の行程をラッセルという最高のガイドつきで辿るのは本当にスリリング。本人はこのテキストにいたく不満だったようだけど、でもいい本だと思う。これは最後まで訳そう。