受験から外れ値をなくせ

 受験生の皆さん、センター試験お疲れ様。今ごろは二日間終わって悲喜こもごも、というところでしょう。うまくいった人は素直に喜んでくれればいいとして、うまくいかなかった人も、そんな落ち込む必要はありません。受験は人生で最初の大きな分岐かもしれないけど、この程度の分岐はこの後山ほど出てくるもの(またそうでないと社会のシステムとしてまずい。階層が固定化されてしまうから)。
 人生は長い。最初で少しつまづいたぐらいで挽回がきかないわけではありません。まだ学校以外の世界を見たことがない君たちは、そう言われても素直に呑み込めないでしょうけど、そのうち分かる日が来る。

 それはそれとして、私は日本の受験システムに一発勝負の傾向が強いことに現役時代から不満でした。しかもわざわざ体調を崩しやすい冬に集中させるなんて不親切の極み。マッツァリーノが『反社会学講座』で「一年で何度も試験を受けられて、そのうち最も成績の良いものを採用するアメリカ式に変えてはどうか」と提案していたけど、個人の実力を正確に測りたいなら絶対そっちのがいい。あるいは複数回の平均をとるとか。試行回数を増やせば増やすほど外れ値(=体調が悪い or たまたまマグレ当たり)の影響を減らせて正確な実力を測れるようになるというのは、統計学を持ち出すまでもない自明の事実です。立花隆もどこかで、日本の受験体制は運試しだ、と言っていた。そのとおりです。

 なんでそういう方式が採用されないんでしょうね? コストの問題なのかな。でもアメリカはじめ実現できている国もあるんだから、不可能ではないと思う。その方が受験の理不尽さに泣く子供もずっと減らせるでしょうに。