プロジェクト杉田玄白に参加

 山形浩生さんの主宰するプロジェクト杉田玄白に、ここ数年間ちょこちょことやってきた翻訳のうち、ウィトゲンシュタイン、モリス、カンディンスキー、ロース、オーウェルなどビッグネームを中心にいくつか登録していただきました(フレーゲやシュリックみたいなあんまりマニアックなのは読む人いないだろうから自主規制)。果たして翻訳として最低限のレベルをクリアできているかな、と不安でしたが、モリスロースなどは面白く思ってもらえたようで、一安心。建築畑出身の血が騒いだのでしょうか。

 モリスやロースはそういう方面に疎い私でも訳していてとっても面白かったテキストなので、19世紀イギリスのアーツ・アンド・クラフツや20世紀前半を席巻したモダニズムに興味ある人には、きっと面白いはず。ロースの攻撃性には最初「うっ」とくるかもしれないけど。

 あと、私が個人的に一番気に入っているのは、あまり日本では知名度のない科学哲学者のライヘンバッハ。論理的で抑制のきいた、それでいてうちに秘めた情熱の伝わってくるしびー文章を書く人です。説明も上手で、教師としての優秀さもうかがわせる。欧米の分析哲学界では知らぬ者のない大物ですが、日本での知名度は(多分その玄人肌が災いして)、ウィトゲンシュタインラッセルほど高くない。日本語に訳されているテキストも少ないんですよね。『科学哲学の形成』と『記号論理学の原理』ぐらいか。私は、ライヘンバッハにはもっと有名になってほしくて応援してます。これからも暇を見つけてこの人の文章は訳していきたい。あとはそうだな・・・、フォン・ノイマンもめでたく、かどうかはともかく、著作権が切れたので、今年ぜひ何本かやってみたい。また量が溜まったら玄白に登録をお願いしよう。