ポイントと現金の違い

 今日は朝から義父・義母と一緒に秋葉原でパソコン選び。先方の家で使われているのは何しろ往年のWindows98が載ったNECの年代物で、そろそろ動作も怪しくなってきたのでこれを機に買い換えることになったのですが、義父・義母ともにPC関係には疎いので、僭越ながら私がシステム・コンサルタントを務めることに。

 とはいえ、メール・インターネットに年賀状印刷ができれば用は足りるし、ネットも動画などの重いファイル転送は一切無いとのことなので、無駄なソフトなどが一切入っていない廉価なノートPCとHPのプリンタ、ウィルスバスターを一そろえしてさくっと終了。

 その際、私が興味を惹かれたのが、小売店が必ず推薦してくる、メーカーの1年保証とは別の5年保証のシステムが昔と違っていることです。昔は、5年保証用の費用として追加で現金をダイレクトに徴収していた記憶があるのだけど、今日のやり方は「購入したことで付くポイントから天引き(つまり付くポイントが少なくなる)」というもの。これには「なるほど」と思いました。

 追加で懐から現金を出すのと、おまけで付くポイントが目減りするのと、どちらのがより客の心理的負担が少ないか?

 私の個人的な感覚では、明らかにポイントから取られる方が実感として「軽い」。今日もうまうまと5年保証をつけてしまった。チャルディーニの名著『影響力の武器』にサンプルとして載っていてもおかしくない巧妙なマジックだと思いました。人は、入ってくるお金が減ることより、いま手元にある現金が減ることに(その金額が同じであっても)抵抗を感じやすい。金額は同じでも心理的重みが違うという点で、「心の会計簿」に近い現象かもね。

 なかなか敵も考えているな、と感心しきり。

 そんなこんなで任務を果たした後は、みんなで行きつけの鰻屋へいってちょっと豪勢な昼食を食べて家でお茶をする。鰻屋でお土産に備長炭をもらったので、早速こんどご飯を炊くときに使おう。