確定申告

 面倒でずっと後回しにしてきた平成20年度の確定申告の書類を一念発起して片付ける。書類を郵送して無事終了(私はe-taxは使わない)。税金の計算て本当に無駄に面倒くさくて嫌いです。還付を諦める人間が増えるよう、わざと複雑にしているのではないかと勘繰ってしまうよ。それでも最近は、国税庁のWebサイトから入力して、面倒な計算をかなり機械的にやってくれるサービスがあるので楽になった方です。昔はこの計算も全部人の手でやっていたのだから、たまらなかったでしょうね。まあおかげで税理士の仕事は減ったかもしれないけど。

 ここでちょっと税金講座をしておくと、私みたいに会社勤めをしながら副業をしている人間は、副収入が20万円を超えた場合、確定申告を行う義務があります。20万円以下の場合、義務はないのですが、もし経費などを計上すれば、申告によって還付金が(少し)返って来るかもしれません。

 こういうとき、申告の方法としては、副収入をどう位置付けるかで二種類あります。一つが雑所得、もう一つが事業所得。税率や経費に認められる支出の範囲という点では、後者の事業所得のが有利なのですが、これに計上するためには前もって税務署に開業届けを出す必要があります。要するに個人事業主になるということですが、サラリーマンと兼業の場合、認められないこともしばしばで、多くの人が雑所得で計上しています。

 それで、普通に雑所得で申告すると、これは本業の給与の多寡にも影響されるので一概には言えませんが、もし経費がゼロの場合、源泉徴収に加えてさらに税金を納める必要が出てきます。しかし、収入が発生しているのに経費がゼロなんて夢のような話は現実にはなく、普通に経費をのせればむしろ還付を受けられるはずです。ただし、そのためには証拠となるレシートをちゃんと保管しておく必要があります。雑所得の申告ではレシートの提出は不要なのですが、税務署はやろうと思えば過去数年間にわたって調査を行うことが可能です。そのときレシートがないと、経費はゼロで計算されて過去の分もあわせて税金を払いなおさねばなりません。そのため、エビデンス(根拠となる証拠)の保管は大変重要です。

 このあたりのことは、藤井孝一『週末起業』がよくまとまっていて、この一冊を読んで、一度申告をやってみれば全体像がつかめます。具体例が多く無味乾燥にならず、痒いところに手の届く親切な説明がマル。この著者は似たような本を何冊か出してるけど、基本的にはこの本を読んでおけばよいでしょう。