日本最初のリバタリアン

 福山まさはるの坂本龍馬はちょっと小奇麗だなあ。絶対あの龍馬、毎日風呂入って寝る前には歯磨いてるもん。
 私は『JIN』で内野聖陽が演じていた小汚系の龍馬が好きでした。「人間は欲ぜよ! 欲をなくしたら死人ぜよ!」と叫んで欲望を肯定する明るさが良かった。ペニシリンを餌に久坂玄瑞ら志士を買収するエピソードも、架空とはいえ彼の特性をよくつかんでいたと思う。

 理ではなく利によって人を動かす方法を得意とし、株式会社を作って世界との交易に乗り出したグローバリストなのだから、龍馬は欲望剥き出しなキャラの方が合ってます。

 もしこの人が今の日本に生きていたら、きっとほとんどの日本人から(当時と同じぐらい)憎まれたことでしょう。貼られるレッテルは「市場原理主義者」、「拝金主義者」で決まりです。龍馬が長生きしていたら、日本初の本格的なリバタリアンになっていたかもしれないのに、なんでそんな人が自由主義の嫌いな日本の中高年に人気があるのかよく理解できないところです。