寝転んで読みたい

 電子書籍のリーダーが欲しいけど、個人的にはもう少しコンパクトサイズになってから買おうと思っています。
 本が好きな人は、部屋が一室本で溢れてしまう人も少なくないでしょうが、私も書斎の書棚に本が入りきらなくて、物理スペースの悩みを年中抱えています。そういう人にとっては全ての本を一つのハードに集約できるというのは、大いなる福音です。

 最近のリーダーは機能も充実してきて、タッチペンで書き込みしたりタグをつけたり紙と変わらない操作感で、しかもWeb 辞書検索と連動できるなど紙にはない利点も備えつつあります(これは洋書を読むときに特に便利です)。日本では、ソニーパナソニックがこの市場に挑戦していましたが、コンテンツの少なさも災いして商売にならなかった。でも紙媒体から電子媒体へというこの世界的な流れは変わらないでしょう。昔は重厚な百科事典や文学全集を応接室に飾るのが知的ステータスでしたが、CD-ROM の電子事典が登場したことで、紙媒体の事典は消えました。そして Wikipedia のような Web 事典の登場によって、CD-ROM の電子事典も消えてしまった。

 ただ、電子書籍の場合、これまではパソコンの前に座らなければならなかったという点で、本のようにソファに寝転んでも電車の中でも読めるという利便性にはかないませんでした。そのため、最後まで電子化が進まなかった。Amazon は一時期、パソコンで読む電子書籍を販売していたことがありますが(私も何冊か買いました)、この実験的なサービスも短期で打ち切られました。でも、キンドルというハードを得たことで、ようやく紙媒体とユーザー・エクスペリエンスにおいて張り合えるようになった。

 いずれ日本でも再度電子書籍の市場は立ち上がると思いますが、そのときは既に日本メーカーは(北米市場で健闘するソニーを除いて)出遅れてしまうのが痛いですね。