参考文献にかえて

 前回のエントリで拙著『SQL実践入門』を紹介させてもらいましたが、本書には参考文献はつけていないので、ここで本書を書く際に参考にした本をいくつか紹介したいと思います。

 どちらも実行計画の読み方やメモリ機構、データの物理的な格納方法などDBMS内部のパフォーマンスアーキテクチャを解説した本です。

 そもそもの話として、実行計画の解説書というのは多くありません。おそらく日本語でまとまった分量が読める本は存在しないと思います(もしあったら教えてください)。なので必然的に英語書籍にあたるしかないのですが、それでもやはり数が多いとは言えません。この理由は推測の域を出ませんが、プロプライエタリな製品の場合は企業秘密の一部になっていること、そもそも実行計画をユーザに読ませるのは「ウチのオプティマイザはあまり賢くありません」と認めることになるのであまりベンダとして気乗りする話ではない、というところではないかと思います(ヒント句を山のように揃えてSPMまで使えるOracle社だけは、違う見解を持っていそうな気もしますが)。

 どちらの本も実行計画の色々なパターン(Oracleの場合はそれに対応するヒント句)を挙げてくれていて、本書を書く上で大いに参考にさせてもらいました。バージョンはちょっと古いですが、こういうコアロジックはそれほど劇的に変わることはないので、あまりそのあたりを気にしなくてもよいでしょう。

 ちょっとマニアックな分野ですが、『SQL実践入門』を読んでもっと実行計画の色々なパターンを勉強してみたいと思った奇特な方向けです。