新著が出ます:『プログラミング学習シリーズ SQL』

 先月 Club DB2 でも告知させていただいたのでご存知の方もいるでしょうが、6/29 に新著が出ます。既に Amazon翔泳社のサイトでも予約可能になっています。残念ながら電子書籍ではありません。

 これまでの私の本は、中級向けに『指南書』、上級向けに『SQLパズル』(こっちは訳書だけど)を出していましたが、初級向けは書いてませんでした。DB や SQL に関しては初級向けの本がもう沢山出ているので、敢えてフォローする必要のない分野だと思っていたのですが、翔泳社はそうは思っていなかったようで「ミックさん。入り口からがっちり首根っこつかんで、『入門書』→『指南書』→『SQLパズル』とベルトコンベアーに乗せてやりましょうよヒヒヒ」という壮大な野望を語られたのが2008年の夏。その大志に共鳴して鋭意執筆してきたのですが、ようやく刊行と相成りました。遠大すぎていささか時間がかかってしまいましたが、そこはそれ、こういうときお約束の言い訳「待っただけの甲斐はある」と言っておきましょう。

 内容について説明しておくと、対象読者層は SQL や DB はおろかプログラミング自体ぜんぜん知らないという本当の初心者を想定しています。「学校や会社の新人研修のテキストとして使える」という「プログラミング学習シリーズ」の主旨に沿って、テキストファイルで字を書いて、コピペが出来れば OK です。テーブルの作成や削除といった DDL、SELECT文の基礎からWHERE、GROUP BY、HAVING、ORDER BYなど各句の意味と使い方。更新とトランザクション、ビューとサブクエリ、関数・述語・CASE式に集合演算と結合、最後はウィンドウ関数と CUBE/ROLLUPなどの OLAP 機能まで網羅しています。これ一冊読めば SQL で一通りのことができるようになるでしょう(二通り以上のことがしたい人は、『指南書』へ進んでください)。なお、『指南書』などと同じように私のサイト「リレーショナル・データベースの世界」にサポートサイトを開く予定なので、そのときは再度告知いたします。

 長期にわたって支えていただいた編集の市古さん、最後の一番きつい時期を乗り切ってもらった片岡さん、お疲れ様でした。入門書を書いたことがなく平気で説明不足に陥る私のサポートは骨の折れる仕事だったでしょうが、お二人の尽力なければ本書の完成は見ませんでした。本は一人では書けないということを、今回も実感しました。

 それにしても、最初は編集の斉木さんがノリで付けた「達人」という言葉が、完全に定着してしまいましたね。誤解のないよう言っておくと、私は一度も自称したことはないですよ。否定したこともないけど。