腹がきつい・・・

 最近胃もたれが苦しい。暑さ&年だなあ。持病の首の痛みにも泣かされて今週は仕事してませんー。

 『グロテスクな教養』が気に入った高田さんの『文学部をめぐる病――教養主義ナチス旧制高校』を読んでいます。順番としてはこっちのが前作にあたるのですが、この本も負けず劣らず面白い。多分かなり若い頃に書いた文章も含まれているのだと思います。この本の方が高田さん自身の病理が解消されていなくて文章に迫力がある。

 本書でもトリをつとめるのは、やっぱりルサンチマン大王の中野孝次。この人はもう、高田さんの本には外せないみたいね。今回は、もう一人、高橋健二という戦時中に大政翼賛会文化部長を務めた(そのせいで戦後は公職追放にあう)独文学者が主人公なんですが、ファシズムに協力しつつヘッセの平和主義に肩入れするこの「普通の人」に対しては、意外に優しい視線を注いでいる(本人もあとがきでそう書いてるから間違いない)。前も思ったけど、高田さんは、時代精神は一流の文学者の書いたものより「二流」、ごく普通の文学者の書いたものによりよく現れる、というモットーを掲げているようだ。

 解説文を寄せているのは、ふっふっふ、出ましたこわいこわい斎藤美奈子。男性文化をなで斬りにさせたら右に出るもののないこの人はまさに本書に適任。意地の悪い女性同士、お二人は気が合うことでしょう。