2008-01-01から1年間の記事一覧

下流フェミニズム宣言:小倉千加子『結婚の条件』

フェミニズムが女性が自立することを説き、自由を求めることを支援するイデオロギーだ、ということは、今では皆さん(頭では)ご存知でしょう。でも、そのフェミニズムにも上流と下流があるということは、あまりおおっぴらには語られません。具体的に名指し…

競争が怖いか

前回に続いてもう一つ教育関係のエントリを。 秋田県が学力テストの市町村別平均点数を公表したことがニュースになりました。このことについての批判は、主に公表に踏み切った県や知事の権限や生徒のプライバシーといった法的な性格のものと、「過度な競争を…

受験国語の必勝法、教えます:石原千秋『秘伝 中学入試国語読解法』

さて、そろそろ受験シーズンも佳境に入ってまいりましたね。本日は、珍しく速攻で受験(もっと狭く言うと中学受験の国語)に役立つハウツー本を紹介いたしましょう。受験生諸君および親御さんは必見ですぞ。その名も『秘伝 中学入試国語読解法』。新潮選書と…

「SQLアタマアカデミー 第4回 スカラ・サブクエリの使い方」

SQL

今日は早めの大掃除に取り掛かっています。年末は実家に帰るので、小分けにしてやらないと年末それほど時間が割けない。 本日発売の『WEB+DB PRESS Vol.48』に「SQLアタマアカデミー 第4回」が掲載されています。 今回はスカラ・サブクエリの話。SQLの他の多…

だいこんの花(宮城県 白石蔵王)

一年の疲れを落とすべく、例年のごとく温泉宿へ行って来ました。毎年言ってるかもしれませんが、この時期の東京はクリスマス一色になって、「クリスマスを祝わざる者、人に非ず」的なファシズム旋風が巻き起こるので、不服従な人間は温泉に逃げ込むのが一番…

早すぎた文化人類学者:ハーマン・メルヴィル『白鯨』

この小説を私が初めて読んだのは、中学生のとき。そのときは、海洋冒険小説としてしか読むことができませんでした。いや、確かに海洋冒険小説でもあるし、そのジャンルでも第一級の作品で、十分楽しく読むことはできたのですが、でも、それはこの小説の一部…

「SQLアタマアカデミー」サポートページ更新

SQL

「SQLアタマアカデミー」サポートページを更新しました。第3回「テーブル設計のグレーゾーン」の演習の解答・解説を追加しています。リレーショナル・データベースにおけるオートナンバリング(連番の自動生成)機能は、現場でしばしば実現方法について意見…

正しい差別

名作ドラマ『ER』に学ぶ社会学のお時間です。本日取り上げるシーンは、3rd・シーズンで黒人外科医のベントンとその下で修行中の、同じく黒人医学生ガントがロッカールームで会話を交わすシーンです(本当は、ある理由からガントがベントンに詰め寄る激しいシ…

君は時代の空気を読めているか

家人がクリスマス・リースの教室で作ってきたという作品(注:うちはキリスト教ではありません)。材料費など全部あわせて数千円だそうですが、本人はデパートで買えば数万円するであろうと豪語している。私にはこういうものの価値は判断できないので、コメ…

定額還付金

今朝、掃除機のスイッチを入れたらうんともすんとも言わない。あれこれボタンを押したりノズルを掃除したりゴミ袋を交換したりしたけど、変化なし。幸い、保証期間中だったので、販売店に押し付けてきました。夏にはエアコンの調子が悪くなって複数回の修理…

病気になるのは誰のせい?

麻生総理の病気になるのは自助努力が足りないからだという趣旨の発言は、それ自体としては別に珍しくも新しくもないものです。「健康管理は自己責任。だから病気になったとしても、それは自業自得。そんなダメ人間どもの面倒を国家が見る必要はない」という…

主観は客観を左右する

意外に知られていないかもしれないけど、失業率の計算では、そもそも仕事を探す気のない人は失業中でも対象に含まれない。だから失業率を減らす方法としては、雇用を作る以外にもう一つ裏技があって、失業者に求職する気をなくさせるという必殺技があります…

仕事くれ

GMはじめ自動車メーカーのビッグスリーが公的資金注入を見送られて倒産寸前になっています。先週のエントリに書いたように、私みたいな自動車嫌いは、こういうニュースを聞いたら基本的にはフハハハと笑っていればいいのだけど、でも笑ってばかりもいられな…

夢よもう一度

オバマ大統領が、国務長官にヒラリーを候補の一人としてあげているのをはじめ、閣僚人事にクリントン政権のメンバーを多く起用するつもりだ、というニュースが流れました。本当にこれでアメリカを変えられるのか、という不安視する声もあるそうだけど、でも…

天使でも救えない:『Touched by an Angel』

アメリカCBSのホーム・ドラマ『Touched by an Angel』を観たい。どうしても観たい。『ER』と人気を二分する長寿人気TVドラマなのに、日本版は私の知る限り発売されていません(日本版の情報お持ちの方はご一報を)。 内容は、題名からわかるとおり、神から遣…

草鞋おじさんの魅力:ジョン・ウー『レッド・クリフ』

ジョン・ウー『レッド・クリフ』を見てきました。映画は文句なしに面白かった。ちゃんと白い鳩も飛んでいた。普通、関羽と張飛のかげに隠れて印象の薄い趙雲がクローズアップされて格好よく描かれていたのはなぜだろう? まあ私も彼のような渋キャラは好きで…

大麻がそんなに悪いか。それなら・・・

『刑事コロンボ』を見ていたら、コロンボ以下登場人物が平気で飲酒運転をしているのを見て驚いた。昔のアメリカっておおらかだったのね。あるいは今でもそうなのだろうか。日本では飲酒運転の罰則は厳しくなる一方なので、世界的にもそうなのだろうと思って…

Netezza

SQL

どうもNetezzaがらみの仕事があるかもしれない。Oracle 一辺倒だった私も、ついにアプライアンス製品に手を出す日が来たか(まだ決定じゃないけど)。 最近はOracleもNetezzaをライバル視していて、HPと組んでハード一体型のデータウェアハウス専用DBHP Orac…

もう少し早く多様化してくれれば

携帯電話業界が不況というニュースがここ一月ぐらい繰り返し流れていますが、これはもう国内市場が飽和して久しいのだから、構造的に起こるべくして起こったものです。人口よりも多い台数が既に出回っているのだから、新規市場の開拓は難しい。これは先進国…

暗く狭いバケツの底:町山智浩『アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない』

『ER』の第2シーズンを見ていたとき、二つ、アメリカ特有の社会事情が背景にあって理解できなかったシーンがありました。一つは、貧民街のアパートでアタマの弱い主婦が何かの薬品を製造していたことが原因で火事が起きるエピソードなのだけど(救急隊員のラ…

歌われなかった者たちへの賛歌:福岡伸一『できそこないの男たち』

福岡伸一『できそこないの男たち』を読了。前作『生物と無生物のあいだ』が消化にまつわる謎から生物の本質に迫る名著だったのに対し、今回はヒトゲノムにおける男性決定因子であるY染色体の仕組みとその発見にまつわる科学者たちのドラマがテーマ。前作の熱…

迷わず行けよ

電車の中吊り広告ですさまじいものを見てしまった。増えてるのね・・・おひとりさま。見たときは一瞬、定期刊行かと思ったけど、落ち着いてサイトを見ると、そうではなく増刊号だった。びっくりしたー。 最強! 負け犬トリオ 「おひとりさま街道」をゆく 香…

風と共に・・・

バラク・オバマがアメリカ大統領に選ばれ、ついにアメリカに黒人(と一般にイメージされている)大統領が誕生することになりました。いまちょうど青木冨貴子『「風と共に去りぬ」のアメリカ』を読み終えたところなので、あの奴隷制支持と差別主義の牙城だっ…

消費税が景気を救うなら

麻生総理が選挙前だというのに大胆にも消費税率のアップを検討していると発表して、うげっと思った人も多いでしょう。私の周囲にも、このニュースを聞いていよいよ今のうちにマンションを買っておくか、と呟いている人がいます。でかい買い物のときは消費税…

自分用のメモ:入れ子集合モデル

SQL

近いうちに入れ子集合モデルについてテキストをまとめる予定でいます。そのためのメモ:応用例: BetterNestedSet(Ruby on Ralisのプラグイン) CakePHPのユーザコントロール A Nested Set Implementation in Java and PostgreSQL ColdFusion用ライブラリ …

「SQLアタマアカデミー 第3回 〜毒と薬は紙一重〜」

SQL

『WEB+DB PRESS Vol.47』に「SQLアタマアカデミー」第3回が掲載されました。今回は、これまでのピュア・SQL的な話と違って、ちょっと設計より、それもあまり行儀の良くない設計について集めたものです。私も設計よりの話するのは初めてなので、出来栄えはよ…

インフラと競争

電気代の値上げが決定的となり、全国的に来年から高くなることになりました。本当は原油料金はいま値下がりしていて、上げる必要はないのに、料金の算出方法にタイムラグがあって今ごろ値上げか、というところに報道の焦点は集中していましたが、でも本質的…

100番目の男

SQL

今日になってリレーショナル・データベースの世界のブックマーク数が中増していたのでおやと思ったら、はてなブックマークの歴代ホッテントリ TOP100という集計をされた方がいて、私のサイトは見事ギリギリ100位に滑り込んでいたのでした。そういうことでし…

ドラマが人生の喩えなのではない。人生がドラマの喩えなのである。

本日は研修でOracle 経験者のための SQL Server 2008 1 日間集中講座に出席。講師はDB界のゆうこりんこと林優子さん。Oracle裏切って大丈夫なのかしら、と余計な心配をしつつ聞きにいったら冒頭から「Oracleを既に使っている方には特に目新しい感動はありま…

SQLアタマ養成講座をアップ

SQL

『Web+DB Press』Vol.44号に掲載されたSQLアタマ養成講座をアップしました。技術評論社さんのご好意に感謝。 読むときはあわせてサポートページもどうぞ。