2011-01-01から1年間の記事一覧
大手小町風に言うと(駄)なエントリです。年末で暇をもてあましている人向け。 ここ数日、Twitter のタイムラインに流れてきている掛け算論争。断片的なツイートを追いかけただけでも、瑣末な問題、という印象をぬぐえないのですが、小学校時代に算数で味わ…
「ブロックせずに他者と渡り合うのが正義」というリベラルな思想は現実性の乏しい理想論というのがぼくのツイッターの見方で、そして一般意志2.0の主張でもある。――東浩紀(2011年12月23日にTwitterで) 本書は、ルソーとフロイトの思想を Google や Twitter…
『Web+DB Press Vol.66』に「SQL緊急救命室 第5回」が掲載されました。今回のテーマは、「時代錯誤症候群」。 標準 SQL は数年に一度改訂が行われており、大幅に新機能が追加されていきます。そして SQL の改訂の仕方というのは、他の言語と違って、古い構文…
今年の6月、重い腎臓病を抱えた堀内利信医師が暴力団から腎臓を買ったという事件が起きました。テレビをはじめマスコミでも大きく取り上げられたので、記憶されている人も多いと思います。 日本では臓器売買は違法なので、その点で法を犯した医師の行為は咎…
評価:★★★★☆ セイバーメトリクスという野球の戦術をご存知でしょうか。いや、戦術と呼ぶのは誤解を招くかもしれません。セイバーメトリクスは、送りバントやヒットエンドランのような、野球の試合中に仕掛ける個々の行為ではないからです。むしろそれは、チ…
技術評論社の『Web+DB Press』がめでたく 10 周年を迎え、総集編記念号が刊行されました。その中で「Topエンジニアが伝えたいこと」というエッセイ集の企画が組まれており、私も「データベースを動かす二つの力」というタイトルで寄稿させていただきました。…
Twitter で「新聞休刊日が全紙同日休刊なのは妙だ。談合でないか」という趣旨のツイートをしたところ、かなり多くの方からコメントをいただきました。そんなに世間で関心の高い話題だとは思わなかったので、意外に思いましたが、よく考えれば身近な割に、そ…
技術評論社のサイトで「SQL緊急救命室」が公開されました。 今回の病気は「冗長性症候群」。これは非常にポピュラーな病気です。なぜかというと、手続き型言語でプログラミンを勉強したプログラマが一度は必ず通る「はしか」みたいなものだからです(最近は…
政府は少なくとも 100 年に一度は、財政均衡を回復するためにデフォルトを起こさなければならない。――アベー・テレ(18世紀のフランスの蔵相) 向こう見ずな個人が借金に借金を重ね、債務を膨れ上がらせると、まず最初に、貸し手がいなくなります。新しい貸…
日本の政府債務は、943兆円強(2011年6月末時点)と、近く 1000 兆円を突破する勢いで増え続けています。また新しく首相になった野田氏はかつてから財政タカ派として知られており、増税による財政健全化に意欲を見せています。いよいよ大増税次代の到来が近…
3月11の福島第一原発の事故以来、放射能が健康に与える被害というのは、日本人(特に東日本に住んでいる人)にとって避けられない関心事となりました。私も知り合いに聞いた話では、柏市や松戸市といったホットスポット地域に住んでいる人たちの中には、本当…
『Web+DB Press Vol.64』に「SQL緊急救命室 第3回」が掲載されました。今回のテーマは、「ループ依存症」。 ループというのは強力な道具です。これを使わずにコーディングしろ、と言われたら、ほとんどのプログラマはお手上げでしょう。でも、リレーショナル…
前回に引き続き仕事について: ここ数年、というかもう十数年、日本の経済についてはあまりいいニュースがありません。震災の影響は別にしても、その前から日本は長期停滞街道を驀進しており、私のような団塊ジュニア世代ともなると、十代の頃から不況しか知…
日本と欧米の産業構造の比較をしたとき、両者の差として指摘されることに、前者は労働集約的で後者は資本集約的、というものがあります。平たい言葉で言うと、コストに占める割合として、人件費(労務費)が高いか、固定資産費(設備費)が高いか、という違…
『Web+DB Press Vol.63』に「SQL緊急救命室 第2回」が掲載されました。今回のテーマは、「冗長性症候群」。ムダの多いコーディングスタイルとして、SQLにおける条件分岐を UNION で行ってしまうケースについて取り上げています。 手続き型言語における条件分…
腎不全を患っていた東京の医師が、暴力団から腎臓を買ったとして逮捕されたニュースが報じられました。 闇での臓器売買に暴力団が関与している(いわゆる「しのぎ」にしている)ことは、周知の事実なので、今回の事件にはその点に関する新味はありません。し…
先週、イタリアでは原発再開の是非を問う国民投票が行われ、反原発票が 9 割を超える大差で否決されました。これに対しては、反原発というより反ベルルスコーニ政権の気運が高まったことを示すという評価もあるようですが、ともあれ、ドイツに続きイタリアも…
2006 年 2 月 19 日、キミコとテツオの夫婦は、大阪のラブホテルにチェックインした。二人は鎮静剤を大量に飲み、手首を切ったが、真夜中に覚醒し、自殺が失敗したことに気づく。テツオはキミコの要求に従って、彼女の首を絞めた後、再び手首を切り、首をつ…
先月末、高木浩光氏のブログエントリ「ウイルス罪について法務省へ心からのお願いです」で、気になるニュースを見かけました。現在国会で審議されている「ウィルス作成罪法案」の内容について、江田法務大臣が、「バグの存在を知りつつ放置した場合」にも違…
今週の『Economist』誌の巻頭記事は、エイズについて。この史上最大の敵に対して、人類は遠からず勝利を収めるであろうという、明るい見通しを伝えています。 1981 年 6 月 5 日、米ロサンゼルスの医師たちは、ごく稀にしか見られないタイプの肺炎が大流行し…
内閣不信任案は大差で否決され、当面は菅内閣が続投するものの、任期中の首相が「辞任」を約束するという、日本らしいといえば日本らしい折衷的な決着を見ました。このタイミングで政権を交代するはっきりしたメリットが見出せない以上、この決着はシナリオ…
日本企業、特に大企業についてよく指摘されることに、「現場は優秀で上層部は無能」という特徴があります。半ば自虐的なジョークとして大企業の社員自らが「ネタにする」こともしばしばです。この感覚は、日本の組織で働いている人の間ではかなり広く共有さ…
読売新聞は、5/21 付けで「東電巨額赤字 国も原発賠償に連帯責任を」という社説を掲載しました。タイトルが示すとおり、政府も原発事故に責任を負うべき、と主張する内容です。その根拠は社説本文において明示されていないのですが、おそらくこれまでの歴代…
私はあまり時代劇を見ないのですが、『JIN』は 1st シーズンから断続的に見ています。先週の回を見ていたら、久しぶりに「ザ・時代劇」な拷問シーンを見かけました。和宮毒殺未遂の疑いをかけられた仁先生が取調べで石抱きの刑にかけられるのですが、先生は…
セックス(およびその代償行為)が体にいいのか悪いのか、という議論には長い歴史があります。人類発祥とともにある営みだから、もしかすると同じぐらい古い歴史があるのかもしれない。でも、本来が秘めやかに行われる行為なので、あまり大々的に調査の対象…
今週、民主党がマニュフェストで掲げていた年金の傾斜配分方式の具体案が明らかにされました。「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長・仙谷由人官房副長官)がまとめたもので、骨子としては「現役時代の平均年収が 600 万円を超える人から次第に減額してい…
福島第一原発では、今も高放射線被曝のリスクを冒して多くの人々が原子炉の冷却に尽力しています。4月27日には、厚労省が通常時の線量上限である年50ミリシーベルトを撤廃する特例措置を決めるなど、作業員の健康リスクは高まる一方です。 そうした重大な危…
『Web+DB Press Vol.62』に「SQL緊急救命室 第1回」が掲載されました。 『Web+DB Press』誌での連載も 3 年目に突入。今期は 1 年目の「SQLアタマアカデミー」と同様、 SQL のコーディング・テクニックの解説を行いますが、以前とは趣向を変えて、物語形式を…
エクソシスト(悪魔祓い師)という職業は、その名前からタイトルを取ったホラー映画『エクソシスト』(1973)の存在もあって、悪魔に体を乗っ取られた人々の体から、宗教的儀式によって悪魔を追い出す「祈祷師」としてのイメージはよく知られています。このよ…
4/1 付けの New York Times に掲載された面白い記事。 インターネットには色んな機能がありますが、その中でも特筆すべき一つが、巨大な分散データベースとしての機能です。インターネットはほとんど無尽蔵の貯蔵庫で、しかも一度記録されたら半永久的に残り…