仕事人とクリーミィマミ

 『必殺IV 恨みはらします』(1987年)とクリーミィマミのVol1を借りてきて見ました。『必殺』の監督は、『仁義なき戦い』シリーズや『バトルロワイアル』の深作欣二必殺シリーズ第1話の監督でもある)。そのため、暴力が生々しくてシリーズ中でもかなり陰鬱なトーンの作品です。平気で生首がごろごろ転がる。
 若き日の真田広之がニヒルな敵役を好演していて、作品に奥行きを与えています。かっこよかったー。流れの仕事人・千葉真一や悲劇のヒロイン・倍賞美津子らの豪華なゲスト陣もいい味を出しています。千葉真一の娘(もちろん仕事人)の相楽ハル子の、父の胸に噛み付いて口から血を流すシーンの表情は背筋が寒くなった。「女の子」が女に変わる瞬間は怖い。
 この映画は、小学生の頃に見てとっても強く印象に残っていたので是非もう一度見たいと思っていたのですが、今日20年ぶりぐらいに見てもやっぱり面白かった。前に見たときは、真田広之のかっこよさと、復讐の資金を貯めるために泣きながら客を引く女郎に心を奪われましたが、年をとって改めてみると、倍賞美津子の「男と女って面倒ね。いつも浮気だ本気だと。他にやることないのかしら」や千葉真一の「(殺しに)子供は使えても女は使えねえ」という台詞が沁みる。
 あと、子供のときは上様の覗き部屋の意味がよくわからなかったのですが、オトナになってよーく理解できました。そっかー、そういう趣向の部屋だったのね・・・。やるな、上様。

 『クリーミィマミ』ははじめて見ました(私の地方ではこのアニメやってなかったと思う。それに女の子向けだしね)。主人公のしゃべり方が野原しんのすけに似ていると思います。「女の子には好きと嫌いだけで普通は無い」というのは含蓄深い言葉でした。