雑記

 先週、第1回のマンション管理組合の総会が開かれ、その場をもって理事長の役職もお役ごめんとなりました。第1期ということで決めることの多い理事会でしたが、逆に色々なことについて決定権を持てたので面白くもありました。私以外にも全般に締まり屋のしっかりした方々が多く、「観葉植物あんなにいらないでしょ、植栽(1回で数十万円かかる)もこんな短期間で何度も必要なし」とバッサバッサとコストカットする緊縮財政派の理事会でした。こういう運用は、最初に決めた路線が何となく慣行化して踏襲されていく傾向があるものなので、その意味でもまあまあ良い先手を打てたのではないかと思います。管理会社には、(悪意はなくとも)無駄な出費をさせるインセンティブが多少は働くので、理事会が意見してバランスを取る必要がある。

 第2期理事会の方々、後はよろしく。

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 映画『おくりびと』のアカデミー賞受賞で、葬儀業界への若い人々の志望者数がどっと増加しているそうです。だが遅い。遅すぎる! メディアで話題になってから群がっているようではライバルを出し抜くなど夢のまた夢だぞ。かねてから言っていたように、今後数十年、葬儀業界が花形産業になるのは、もう絶対確実なのだから、今ごろ考えているようでは、その時点で既に出遅れていると言わざるをえない。諸君の猛省を促したい。
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 町山智浩の新作『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』『アメリカは今日もステロイドを打つ』を続けて読了。『ニューヨーク〜』を含め、数ヶ月の間にこんなに出して品質は保てるのかな、内田さんの二の舞にならなければいいけど・・・と心配しましたが、そこはプロのライター。水準は守っています。私などが心配することではなかった(それに安定性のない専業ライターは、稼げるときに稼げ! が基本なので、多少の粗製濫造は眼をつむってあげたい気もする。少なくとも兼業ライターと同じ基準で比較するのは気の毒だ)。

 「底辺から見た等身大のアメリカ批評」という著者の芸風も、そろそろ完成の域に達しつつある。これまでこういうことを伝えてくれるチャネルは、辛うじてデーブ・スペクターがたまに機能するだけだったけど、私たちが町山智浩を持つことができたのは本当に心強い。それにしても最近のデーブはなんだかちょっとおかしい。何か悩みでもあるのだろうか。結構好きなので心配です。

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 『指南書』の3刷の見本が翔泳社から届いたので、パラパラめくって確認中。内容に特に変更はないのですが、2, 3点ほど誤植・誤字が修正されています(ご指摘いただいた読者の方々、ありがとうございます)。3月から出荷です。