試験に出る経済用語

 今月3日、労組連合が非正規労働者の処遇改善を正式な目標にもりこむという発表をしました。これまで非正規労働者の犠牲の上に正規労働者が胡坐をかいてきた、という差別の構造を自覚して、その改革に乗り出そうという意識が芽生えたのは、前進と評価できます。

 さて、それで具体的にどんな対策を考えているのかというと、「最低賃金水準の引き上げなどを目指す」という。

 周知のように最低賃金を引き上げると、非正規労働者に多い非熟練労働者の失業率が上がります。

 こういうふうに、言っていることとやっていることが見事に矛盾しているにもかかわらず平然としていられるおじさんたちのことを、経済学の専門用語で「タヌキ」と呼びます。はい、ここ期末試験に出るのでメモしてください。カタカナで表記するので注意してください。ひらがなだとバツです。

 ちなみに上位種に「古ダヌキ」、女性の場合は「女狐」という亜種もいるので、あわせて覚えておきましょう。なぜ男女で喩えられる動物が異なるのか、人類学的には興味深いところですが、経済学とは関係ないので試験には出ません。