夢よもう一度

 オバマ大統領が、国務長官にヒラリーを候補の一人としてあげているのをはじめ、閣僚人事にクリントン政権のメンバーを多く起用するつもりだ、というニュースが流れました。本当にこれでアメリカを変えられるのか、という不安視する声もあるそうだけど、でもどうみたってクリントン時代の方がアメリカは調子が良かったのだから、まずはその時代の水準に戻そうとするのは、手堅い方針です。クリントン時代に貯めこんだ財政黒字を全て吐き出し、失業率も跳ね上がり、戦争の後処理に追われる国がすぐに調子よく変われると思う方がどうかしてる。まずはベテランを使ってマイナスからゼロへ回復を図るのは、オバマ大統領が、「アメリカを変える!」という掛け声とは裏腹に、現実的な判断のできる政治家であることを示していて、心強いことだと思います。

 私はヒラリーには是非、国務長官の仕事とは別に、彼女がかつて法案提出までこぎつけながら共和党によって葬られた国民皆保険制の導入というアイデアを甦らせてほしい。共和党は今度も反対するだろうけど、こういう社会主義的な政策を押し通すなら、共和党から人心が離れ、国民に疲弊感が蔓延している今がタイミングとしてはベストに近い。マイケル・ムーア『SiCKO』で抉った医療問題を解決できるのは、民主党が政権を握っている間だけです。彼女もいま、絶対にそのことを考えているはずだ。