自民党は共和党になれるか

 自民党の総裁選が面白いことになっています。注目の候補は河野太郎氏。小泉改革の「小さな政府」路線を引き継ぐ、日本の政治家には少ない(というかほとんどいない)米共和党的な志向の人物です。今まで本気でこういう主張をしているのか判断しかねるところもあったけど、総裁選で政策を訴えたのだからもうポーズでは済まされません。自分の考えが受け入れられず落選したら離党も辞さずとまでテレビで公言したのだから、本気だと受けとっていいでしょう。

 河野氏自身が言うように、日本で二大政党制を本当に機能させようと思ったら、自民党がアメリカの共和党の役割を引き受ける必要があります。その意味で、自民党日本共和党として生まれ変わらせようとする氏の意欲は高く評価したい。こういう人物が総裁選に出られるというのも、野党化したからこそというのが皮肉だけど。

 しかし、日本に共和党をもたらすことは、これがまた実に難しい。自由放任主義的な政策が日本で大衆的な支持を得た期間はほとんどなく、例外は小泉氏が総理をやっていた数年間だけです。アメリカではこういう自由主義は大衆に多くの支持者を持つメジャーな立場で、民主党びいきの左翼は高所得インテリが多いのだけど、日本ではこの関係が逆転している。河野氏の挑戦も厳しい戦いになるでしょうが、でも 2001 年だって小泉氏の前評判は決して高くなかった。頑張ってもらいたい。

10/10追記:河野氏は落選。残念ながら自民党共和党になれませんでしたね。同党の凋落は当分止まるまい。合掌。